寝る前に怪談話を聞いて、ただでさえ寝苦しい真夏の夜にさらに寝付けなくなる、実は怖がりなジョニーです。
意識ははっきりしているのに、体が動かないし声も出ない。
目を開けると人が乗っているのが見えたり、体を触られているような感覚がしたりと、金縛りで怖い思いをしたことのある方も多いでしょう。
しかし、この金縛りという現象、怖がる必要はないのです。
金縛りの語源
金縛りは、もともとは仏教用語。
不動明王が、賊を身動きできないようにする密教の修法「金縛法」を由来としています。
金縛りは睡眠麻痺
金縛りは、医学的に「睡眠麻痺」と呼ばれています。
睡眠麻痺は、睡眠時に全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態です。
不規則な生活や寝不足、過労、時差ボケ、ストレスなどから起こると考えられています。
脳がしっかりとは覚醒していないので、人が乗っているのが見えたり、体を触られているような感覚がしたりするのです。
これが、幽霊や心霊現象と関連付けられる原因となっています。
どうして金縛りが起こるのか
金縛りが起こるのは、レム睡眠中。
レム睡眠は、寝ついてから約90分に一度の周期で繰り返し現れます。
夢を見る睡眠として知られていますね。
睡眠時間を6~8時間とると、3回~5回のレム睡眠が出現する計算です。
夢を見るということからも分かるように、レム睡眠中の脳は活発です。
しかし夢の内容のままに体が動くのは危険ですよね。
そのため、レム睡眠中は骨格筋が動かないようになっているのです。
何かの拍子でレム睡眠中に目が覚めると、体が動かないのはこのため。
これが、金縛りのメカニズムです。
金縛りの種類
金縛りは、大きく分けると「閉眼型」と「開眼型」の2種類があります。
ほとんどの金縛りは閉眼型。
実際は閉眼しているのに、金縛りが起こる直前の室内の風景や、普段の室内の様子が夢となって映し出されているのです。
しかし、本人は閉眼型だと認知していない場合が大多数です。
閉眼型の金縛りは、恐怖感を強く感じる場合が多いそう。
残念ながら、閉眼型の金縛りを自分の意思で解除する事は、ほぼ不可能だと言われています。
まれに起こる開眼型の金縛りは、体は動かないものの、嗅覚や聴覚、視覚は鮮明だそうです。
金縛りにならないためには
「睡眠の質が悪い」「睡眠時間が不足している」「日中に睡眠をとる習慣がある」、これらが金縛りになりやすい原因です。
これは、睡眠の後半に多く現れるレム睡眠が、寝てすぐに現れてしまうことと関係があります。
普段から規則正しい生活を送り、ストレスマネジメントを行うことを意識することで、金縛りを未然に防ぎやすくなります。
また、理由ははっきりと分かっていませんが、うつ伏せや横向きで寝るよりも、仰向けで寝る方が金縛りを起こしやすいという研究結果があります。
気になる方は、仰向け寝を避けるといいかもしれませんね。
金縛りになったらどうする?
金縛りになっても慌てないようにしましょう。
レム睡眠中で、脳が起きても体は起きていないんだな…と思い出してください。
これを知っていると恐怖心は薄らぐことでしょう。
体が動くまでは数分のこと。
意識的に深呼吸をするのは難しいですが、落ち着いて呼吸をゆっくりと行いましょう。
指先やつま先が少しでも動くなら、無理のない範囲で少しずつ動かすと、脳は体が動くと認識し、体も覚醒して金縛りが解けます。
まだ眠気があるなら、もう一度寝てしまうのもおすすめです。
短時間でも眠れば、次に目覚めた時には金縛りは終わっています。
【金縛りには2度寝有効 専門家】https://t.co/VLWbq3K0M7
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) August 20, 2020
眠っている間のREM睡眠(半覚醒状態)時に体を動かせなくなることを俗に「金縛り」という。金縛りでみられるまひを解くには2度寝が有効だと専門家は指摘する。
金縛りは、たまになるくらいなら心配する必要はありません。
金縛りを治す医学的な治療法はいまのところないのです。
ほとんどの場合、金縛りは他の疾患と関連はないのでご安心ください。
ただし、繰り返し金縛りが起こる場合は専門に相談するようにしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。